お酒で筋肉が落ちるのか?アルコールの適量を知り、飲み会を楽しむ!

博士:は〜お酒がうまいの〜、やっぱり夏はビールじゃわい。

助手:あ〜!博士お酒飲んでる!アルコールは筋肉量を落としちゃうんですよ〜知らないんですか〜?

博士:なんじゃ鬼の首を取ったように。もちろん知っとるわ。

助手:じゃあなんでお酒なんて飲んでいるんですか!お酒で筋肉量が落ちるだとかアルコールは筋肉痛をひどくするとか、悪い噂を聞いたから必死で飲酒を我慢してるのに…僕もお酒が飲みたいです!涙

博士:確かにそういった話はあるし、それは事実じゃ。そもそもアルコールは体に良くない「毒」じゃからの。しかしそうは言っても飲みたいのが人間の心。じゃから、大切なのは適量を知ることなんじゃ。

助手:適量ならお酒を飲んでもいいんですか!?筋肉が落ちることもないんですか!?

博士:そうじゃ。今日のトピックは

・ お酒で筋肉量が落ちるって本当?

・筋トレ中だけどお酒が飲みたい人へ〜アルコールも適量ならOK〜

・おまけ〜筋肉が多いとお酒に強くなるって本当?〜

じゃ。心してついて参れ。

助手:了解です!

お酒で筋肉量が落ちるって本当?

助手:お酒が筋肉量を減らすって…本当なんですか?

博士:マジじゃ。お酒に含まれるアルコールには筋肉を分解する作用がある。それには即効性のもの長期性のものの2種類が存在するんじゃ。

アルコールによる即効性の筋分解「急性アルコール筋症」

博士:大量のアルコール摂取が筋肉を分解してしまうことは古くから知られており、その現象は「急性アルコール筋症」と呼ばれておるんじゃ。助手も経験があるじゃろう。たくさんお酒を飲んだ翌日に全身が筋肉痛になるということが。それじゃ。

助手:あーありますねぇ。あれすごい不思議だったんですよ。

博士:急性アルコール筋症が起こると、筋力低下とともに、筋肉痛、血中へのミオグロビンの溶出、筋繊維の壊死などが起こるんじゃ。

助手:聞くだけでも恐ろしいですね…。

博士:しかもこの症状における筋肉へのダメージは、筋トレによるものとは全く別物なんじゃ。筋トレによる筋繊維への微小なダメージは、筋肉の修復機構や合成の活性化によって筋肉がさらに強化されるが、アルコールによる筋症の場合は筋肉のタンパク質合成自体が低下するため、超回復効果は一切期待できないんじゃ。

助手:怖〜…酒飲む気が失せました…

アルコールによる長期性の筋分解「慢性アルコール筋症」

博士:次に、長期にわたる飲酒が筋肉に及ぼす影響を解説するぞ。お酒を長い期間に渡り常飲していると、慢性アルコール筋症を発症するんじゃ。慢性アルコール筋症によって、次第に筋力低下が起こり、筋肉が萎縮することが知られておる。この筋肉量の低下は、それまでに摂取してきたお酒の総量にきれいに比例するんじゃ。

助手:何が原因なんですか?

博士:成長ホルモンやIGFの分泌量の低下が主な原因じゃ。IGFというものには馴染みのない人が多いじゃろうが、これはインスリン様成長因子というもので、ざっくり言うと成長ホルモンの1種の様なものと理解してほしい。

助手:まとめると

・お酒(に含まれるアルコール)により筋肉量は落ちる

急性アルコール筋症…お酒を過剰量摂取することで、筋力低下が起こるという症状

慢性アルコール筋症…長期間に渡ってお酒を飲み続けることで、次第に筋肉量が低下していく症状

ってことですね。恐ろしい…恐ろしいぞアルコール…!

筋トレ中だけどお酒が飲みたい人へ〜アルコールも適量ならOK〜

助手:お酒を飲むと、アセトアルデヒド?とかいうのができるらしいじゃないですか。やっぱり筋肉の分解もそれが原因なんですか?頭痛とか吐き気とかもアセトアルデヒドが原因っていうじゃないですか。

博士:いい質問じゃ。結論からいうと、先の2つの筋肉の分解は、アルデヒドによるものではなくアルコールそのものが原因じゃ。アルコール脱水素酵素(アルコールをアセトアルデヒドに変換する酵素)の活性は遺伝の影響を強く受けており、日本人は欧米人に比べ低活性型が圧倒的に多く、そのためにお酒に弱い人が多いんじゃ。日本人はお酒が弱いと言われる理由がこれなんじゃ。

助手:じゃあアルコール自体の摂取量を減らすことが、筋肉量が落ちることを防ぐ近道なんですね!

博士:その通りじゃ。先に挙げた筋分解の症状は、お酒の摂取量を減らせば回復していくんじゃ。

助手:じゃあ、筋肉に影響を与えないお酒の摂取量はどれくらいなんでしょうか。

博士:うむ。皆が知りたいのはそこじゃろうな。それに関しては研究で明らかにされておる。欧米の研究では、1日あたりアルコール60g(お酒に換算すると、ビール大瓶2本程度、もしくはウィスキーボトル1/5程度)であれば、毎日楽しんでも筋肉の分解を引き起こさず、健康にも良いお酒の量だとされておる。

助手:なるほど。

博士:ただし!これはあくまで欧米での研究。アルコール分解が苦手な日本人はこの半分量、つまり1日あたりアルコール30g(お酒に換算すると、ビール大瓶1本程度、もしくはウィスキーボトル1/10程度)が適量だと言われておる。

助手:そうだったんですね〜。これぐらいなら守れそうです。

博士:うむ。精進じゃ。ただぶっちゃけると、お酒を飲む量を気にするよりもトレーニング量を増やす方が手っ取り早く筋肉を増やせるぞ。

助手:うわ!ぶっちゃけますね。

博士:お酒によって筋肉量が落ちることを気をつけるべきは、筋トレ中級者・上級者じゃろう。初心者は、まずストレスなく筋トレを継続できることを意識すべきじゃろう。

助手:なるほど。つまり

・筋肉に影響を与えずに済む1日あたりのお酒の量は、アルコール30g(ビール大瓶1本程度、もしくはウィスキーボトル1/10程度)。

・飲酒を我慢してストレスを感じるなら、健康に影響しない範囲で飲酒してトレーニングをするのもあり。 

ってことですね!

おまけ〜筋肉が多いとお酒に強くなるって本当?〜

助手:後1つ、お酒と筋肉の関係について聞きたいことがあるんですけど。

博士:なんじゃ?

助手:筋肉をつけるとお酒に強くなる、という情報を聞いたことがあるんですけど、それって本当ですか?

博士:それは嘘。ガセネタじゃ。お酒は体内で「アルコール→アセトアルデヒド→酢酸」という風に分解されていくんじゃが、アルコール分解速度を決める要因は基本的に

・肝臓の大きさ

・遺伝(アルコール/アルデヒド脱水素酵素の遺伝型)

・年齢

の3つなんじゃ。じゃから筋肉は基本的に関係しないんじゃ。

助手:じゃあなんで筋トレでお酒に強くなるなんて言われているんですか?どういう論理なんですか?

博士:筋肉でお酒に強くなる派の論理は、「アルコールが分解されて作られる酢酸が筋肉で消費されるから酔いにくくなる」というものなんじゃ。しかし、血中の酢酸の量は酔いには関係しないので、間違いなんじゃ。酔った感覚アルコールによって、二日酔いなどの症状アセトアルデヒドによってもたらされるんじゃよ。

助手:勉強になります!

博士:もっとも、筋肉や人体というのはまだまだ未知の部分が多い学問領域じゃから、筋肉量とお酒が全く関係ないと断ずることはできん。ただ、現状ほとんど関係はないと考えてもらっていいじゃろう。

まとめ

博士:では、今回のまとめじゃ。

・「お酒で筋肉量が落ちる」は本当!

・筋肉に影響を与えずに済む1日あたりのお酒の量は、アルコール30g(ビール大瓶1本程度、もしくはウィスキーボトル1/10程度)。

・筋トレ初心者は、お酒による筋肉の分解を気にするより、ストレスなくトレーニングできることを重視すべき!

・筋トレでお酒に強くなるというのは間違い。

これからも精進するんじゃぞ!

助手:頑張ります!